
食品
HACCP環境の清浄度を支える
バークシャーのコンタミネーションコントロールソリューション
食品業界向け製品
食品製造現場における汚染管理は、消費者の安全を守るための最優先事項です。
異物混入防止のため、製品は繊維脱落を抑えた低発塵性と、目視で発見しやすい青色の採用など、高い識別性を備えています。用途に応じて最適な素材や加工を選択でき、物理的汚染のリスクを最小限に留めます。化学的側面では、純水洗浄等により残留物を低減しており、食品への成分転移を防ぐとともに、IPA等の除菌剤による劣化にも強い設計です。
また、HACCP等の厳格な衛生管理基準を導入する現場に適した優れた拭き取り性能を持ち、高度な衛生管理が必要な場面ではガンマ線滅菌製品も選択可能です。FDA等の食品接触認証への適合や、ロット管理によるトレーサビリティも確保されています。これらの清浄技術により、製造環境の衛生維持と製品品質の向上に貢献します。


ガンマ線滅菌
ガンマ線照射の方法と有効性
当社では、製品の無菌性を確実に証明するため、国際的な標準規格に基づいたガンマ線照射滅菌を採用しています。その仕組みと、本手法が持つ優れた有効性について解説いたします。
- ガンマ線照射の方法
ガンマ線照射滅菌は、放射性同位元素であるコバルト60から放出される高エネルギーの電磁波を利用した滅菌手法です。
製品を専用の運搬コンテナに積載し、厚いコンクリート壁で遮蔽された照射室にて処理を行います。照射室では、製品の表裏から均一に照射されるよう厳密に制御されます。ガンマ線が微生物のDNAを直接、あるいは細胞内の水分子から生成されるラジカルを介して切断することで、微生物の増殖能力を根底から断ち、確実な滅菌を実現します。 - ガンマ線滅菌の主な特長と有効性
ガンマ線は極めて強い透過力を備えており、他の滅菌法にはない多くの利点があります。
・高い透過性と均一性
製品が最終的な梱包状態(個包装や外装段ボール箱)であっても、中心部まで均一にエネルギーが到達します。これにより、処理後の再汚染リスクを完全に排除できます。
・非加熱・非加圧の常温処理
処理中に温度上昇や圧力変化がほとんどないため、熱や圧力に弱いプラスチックやゴム製品の形状・機能を損なうことなく滅菌が可能です。
・残留物ゼロと即時性
化学薬品を使用しないため、有害物質が残留するリスクがありません。ガス滅菌のような曝気工程(残留ガス除去のための放置)が不要なため、照射後すぐに製品を出荷・使用できる優れた効率性を備えています。
・優れた信頼性
照射時間の管理という物理的な制御のみで、目標とする無菌性保証水準(10⁻⁶)を正確に達成・再現することが可能です。
素材への影響に関するご注意
ガンマ線照射は非常に有効な滅菌法ですが、放射線による化学反応で素材の変色や脆化(もろくなる現象)が生じる場合があります。当社では、製品開発段階で材質の耐放射線性を十分に検討し、最適な仕様を選定しております。
バリデーションプロセス
ガンマ線滅菌のバリデーションは、製品が規定の無菌性保証水準(SAL)10⁻⁶ を確実に達成することを科学的な根拠に基づいて立証する一連のプロセスです。主に国際規格である ISO 11137(JIS T 0806)に準拠して行われ、以下のステップを通じて信頼性を構築します。
適格性確認(IQ/OQ)
まず、照射設備そのものが設計通りに設置され、正しく作動することを確認します。装置の稼働範囲や搬送スピード、安全システムが仕様通りであることを検証し、安定した照射運用が可能であることを立証します。
滅菌線量の設定
製品に付着している微生物(バイオバーデン)の数と放射線に対する耐性を測定し、目標とする無菌性保証水準(例:10⁻⁶)を達成するために必要な最小線量を算出します。ここでは、統計的な手法であるVDmax法などが一般的に用いられます。
性能適格性確認(PQ)
特定の製品に対して、適切な線量が均一に照射されるかを実測するプロセスです。
・線量分布測定(ドーズマッピング):梱包された製品のどの位置に最小線量と最大線量が照射されるかを特定し、製品全体が規定の範囲内で照射される条件を確立します。
・最大許容線量の確認:滅菌に必要な最小線量に対し、素材が劣化しない限界の線量を設定し、製品の品質が維持されることを証明します。
プロセスの維持管理
バリデーションは一度実施して終わりではなく、継続的な管理が求められます。
・線量監査(ドーズオーディット): 3ヶ月に1回程度の頻度で、製品のバイオバーデンに変化がないか、設定した線量が現在も有効であるかを定期的に再検証します。
・変更管理: 製品の設計や包装、製造環境に変更が生じた場合には、その影響を評価し、必要に応じて再バリデーションを実施します。
このように、設備の性能確認から製品ごとの線量設定、さらには定期的な監査に至るまで、厳密なプロセスを管理することで、全ての製品に対して一貫して無菌性保証水準(例:10⁻⁶)が満たされていることを証明しています。
滅菌バリデーション済製品とガンマ線照射済製品の違い
医薬品製造、バイオテクノロジー、再生医療などの高度なクリーン環境で使用される製品において、「滅菌バリデーション済」と「ガンマ線照射済」は混同されやすい用語ですが、その定義と無菌性の保証レベルには大きな違いがあります。
製品選定の際の指標として、以下の違いをご参照ください。
- ガンマ線照射済製品(Gamma Irradiated)
ガンマ線照射済製品とは、製造工程において製品にガンマ線を照射し、微生物を低減させる処理を行ったことを指します。これはあくまで「照射という工程を実施した事実」を示すものです。
・定義:製品の衛生レベルを高めるために、一定量のガンマ線を照射した状態。
・保証の範囲:照射は行われていますが、その照射量が対象製品の付着菌(バイオバーデン)を完全に死滅させるのに十分であったか、あるいは統計的な無菌性が担保されているかまでは定義されていません。
・主な用途:厳格な無菌性までは求められないものの、一般的な製品よりも高い清浄度を必要とする環境。 - 滅菌バリデーション済製品(Sterile / Validated Sterile)
滅菌バリデーション済製品とは、国際規格(ISO 11137など)に基づき、科学的な根拠をもって「無菌状態であること」を証明した製品です。
・定義: 照射前の製品のバイオバーデンを測定し、それを確実に死滅させるために必要な照射量を検証・設定した上で、無菌性保証水準(SAL)10⁻⁶ を達成しているもの。
・保証の範囲: 統計的に「100万個の製品のうち、生存している微生物が含まれる確率が1つ以下」であることが証明されています。
・証明書:ロットごとに「滅菌証明書(Certificate of Sterility)」が発行され、厳格な品質管理が行われます。
比較表
|
比較項目 |
ガンマ線照射済 |
滅菌バリデーション済 |
|---|---|---|
|
主な目的 |
微生物の低減(除菌・殺菌) |
確実な無菌性の担保(滅菌) |
|
無菌性保証(SAL) |
規定なし |
10⁻⁶を保証 |
|
科学的根拠 |
照射実績に基づく |
規格に基づいた検証(バリデーション) |
|
主な用途 |
クリーンルーム内での一般作業 |
無菌充填ライン、再生医療、製薬製造工程 |
選定にあたっての留意点
製薬・バイオ・再生医療向けの製品であっても、すべての製品が無菌性証明(Sterile)を伴うわけではありません。プロセスのリスク評価に基づき、無菌性が必須となる部位には「滅菌バリデーション済製品」を、それ以外の部位には「ガンマ線照射済製品」を選択するなど、適切な使い分けが推奨されます。
各製品の対応状況や無菌性証明書の詳細につきましては、弊社担当窓口までお問い合わせください。
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