フェノール溶液は、清浄剤でしょうか、それとも殺菌剤でしょうか?

Scientific showing a piece of graphene.

フェノール溶液は、よく「清浄剤」と言われますが、実際には、標準的な清浄溶液とは若干異なります。一般に、清浄溶液は汚れ(汚染物質)を除去する能力によって特徴づけられますが、フェノール溶液は、必ずしも汚れを除去する能力を持っているとは言えません。

清浄溶液は、汚れと清掃対象の表面との間に存在する、薄い水の膜の表面張力を下げることで汚れを落ちやすくし、表面を清浄な状態にします。一方、フェノール溶液は、効果が充分に発揮されるほど水の表面張力を下げません。したがって、フェノール溶液は「殺菌剤」と表現される方が適切でしょう。

清浄溶液と殺菌剤の両方を使う必要のある場合とは?

清浄と殺菌の両方が必要な場合、清浄剤(一般に洗剤)と置換フェノール殺菌剤(純水なフェノールの毒性、発がん性、腐食性が除かれるオルトフェニルフェノール等)の両方を含む液体を使用します。2 ~ 5% の濃度で置換フェノール類は殺菌性、結核菌殺菌性、殺ウイルス性、殺真菌性が認められています。

従って、フェノール溶液は「清浄する」、病原体を殺すことができますが、フェノール成分が洗浄対象に達するのを汚れによって妨げられる場合、真の効果は発揮できません。その場合は、汚れを除去する清浄剤(洗剤)を使用してフェノール成分が清浄対象に効果を発揮できるようにする必要があります。

清浄・殺菌溶液の使い方

清浄力と殺菌力の両方を兼ね備えた溶液は、ポリエステル・ニットワイパー、または、ポリエステル/セルロース混合不織布ワイパーで使用することできます。どちらのワイパーも清浄・殺菌溶液に対し、構造的、化学的耐性があります。これらのワイパーを使用することで、汚れや死んだ病原菌を清浄対象から効果的に除去することが可能です。

フェノール溶液は、病原菌の無い状態にしておく必要のある生物学、製薬、バイオメディカルの分野などで最もよく使用されています。

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